ニュージーランドの永住権は一度取得してしまえば、一生涯ニュージーランドに出入り滞在自由になる為、とても人気が高い。またそのワークライフバランスの整った生活環境の魅力も加わり、近年、日本からニュージーランドに移住を目指す人も増え続けている。そして、その移民のほとんどの最大の目標は永住権の取得にある。
今回は、ニュージーランド移住から永住権取得までに不可欠なモノについて書いてみる。資金、専門技術、英語、時間の4つが揃わなくては永住権取得は叶わない。
生活資金と永住権申請費用
まずはお金である。
特に移住当初は、まとまった資金が必要である。単身、母子、家族、移住する人数が増えれば必要な費用も増えるが、どのようなカタチで移住するにせよ、相当な金額は必要であることは覚悟しておこう。
あくまで目安だが、移住1年目に必要な資金は以下のようになる。
単身 200~300万
渡航費、授業料(語学/専門学校)、生活費(家賃・食費・水道光熱費)、ビザや各種保険費用
夫婦・母子 500~700万
渡航費、車購入、授業料(語学/専門学校/子供の学校)、生活費(家賃、食費、水道光熱費)、ビザや各種保険費用
家族 800~1000万
渡航費、家具/家電/車購入費、授業料(語学/専門学校、子供の学校)、生活費(家賃、食費、水道光熱費)、ビザや各種保険費用
そして生活資金とはまた別に、永住権の申請費用が一人$10,000(80万円 ※1NZドル=80円)程度必要となる。
永住権の申請費用について以下が詳しいので参考にして欲しい。
> 1万ドルは覚悟!ニュージーランド永住権にかかる費用
専門技能(職業)と高い技術力
ニュージーランドの永住権を取得するには、高い専門性と経験値が不可欠である。
ニュージーランドの永住権を申請する場合、たいていの人は「技能移民カテゴリー(Skilled Immigrant category)」で申請する。なにか難しい言葉だが、このカテゴリーの対象となる人を端的に説明するならば、
「ある専門分野の高い技術力を有し、その技能でニュージーランドの発展に貢献できる人」
ということになるだろう。逆に言えば、技能のある人材でないと永住権取得は厳しいのだ。もちろん、その能力の判定はニュージーランド移民局の審査官によって行われる。
また、ただ単純に特定分野の専門知識&スキルがあれば良いということではない。あくまで、ニュージーランドが求めている分野の技能(職業)でなくてはならない。ここがポイントだ。
その「ニュージーランドが求めている技能」が何かは、こちらの移民局Webサイトで公開されている。
これは「不足技能リスト(Skill shortage list)」と呼ばれ、今現在ニュージーランドで不足している職業の一覧が掲示されており、各職業で必要とされる技術レベルと経験値も併記されている。
永住権を始める人にとって登竜門となるので、まずこれをチェックするところからはじめよう。「不足技能リスト」についてはこちらのエントリーでも詳しく触れているので参考にしてほしい。
> 【2016年最新版】ニュージーランド不足職業リスト(日本語版)ー 永住権を目指す人は要チェック
英語力
英語力はあればあるほどいい。
逆に、無ければ無いほど苦労する。ニュージーランドに下り立った地点から英語に困る日々は始まるのだ。
「行ってから実践で身に付けていけばなんとかなるだろう」という勢いも海外移住には必要だが、気持ちだけではどうにもならないことはたくさんある。ニュージーランドに移住して永住権取得するという熱量が高い人ほど、あらかじめ英語は勉強している。感じている危機感がリアルなのである。
そして、最終的に到達すべき英語レベルは、IELTS6.5である。
ニュージーランド永住権申請時に求められる英語力が、IELTS6.5だからだ。TOEICで言えば、820~870相当となるが、読み・聞き・文法だけではなく、これに書き・話しを加えたトータルの英語力が必要なのである。
ただ、そもそも英語圏で生活するのだから、「英語は苦手だから…」は卒業して、どこかの地点で覚悟を決めて英語と向き合わなくてははいけない。
ニュージーランド永住権取得には英語力が不可欠。ネイティブから学ぶ「使える英語」を身につけよう。クオリティの高さは折り紙つき。
評価が気になる人はこちら。
【英語習得のバイブル】世界中の学生が使う英語学習のベストセラー参考書
時間
最後は時間である。
基本的に、永住権取得に至るには、そうとう長い道のりになると考えておいて間違いない。
永住権取得までどれくらいかかるだろうか?
移住から2年程度で取得してしまう人もいれば、10年かかる人もいる。10年以上費やしても取れない人は取れない。
要するに、永住権取得に要する時間は、あなたの有する技能がどの程度ニュージーランドのニーズにマッチしているか、による。という1点に尽きる。
例えば、あなたがITエンジニアで日本での学歴とキャリアも十分あり、ニュージーランドでも通用する技術力とビジネスで通じる英語があるならば、入国から2年以内に永住権取得も夢ではないだろう。
ただそれは一握りの人間である。
ニュージーランドに来てから専門学校等で技術をゼロから学ぶところから始めるのであれば、職を得ることができるレベルのスキルと英語力を身につけ、永住権申請に十分なキャリアを形成するに至るまでに7、8年はかかるだろう。早くても5年は必要だ。
ここまでに述べた4点を、移住した地点で全て備えている人は少ないので、永住権取得まではそれなりの時間がかかる覚悟はしておいたほうが良い。
ここまで見てきた通り、ニュージーランド移住から永住権取得まではそうとうな道のりである。しかし、一つ一つ階段を上り最後に得れるものの価値はとても大きいので、一人でも多くの人が永住権取得まで到達できることを願いたい。