年収400万稼げるか!?ニュージーランド移住後のリアルな収入と生活

ニュージーランドの平均年収は400万円程度だが、異国から移住してきた移民の収入は少し事情が違う。物価上昇が続くニュージーランドでの生活費は何もしなくても年々かさむ一方である。そのため、入ってくる方を増やすことを考えなくてはいけないのだが、移民というディスアドバンテージをカバーして並の生活に近づくことは、なかなかに難しいのが現実である。

 

ニュージーランドの平均年収

まず全体像を見ておこう。

ニュージーランドの全職種の平均年収は$51,000である。
(フルタイム雇用の労働者の平均でありパートタイムは含まれない。)

$51,000は日本円にすれば、約400万円(以下全て、1NZ$=80円で計算)。年収400万、日本の平均と同程度である。悪くない。

この数字は週給でいえば、$989、時給でいえば、$24.8(1,984円)となる。まずはこの数字を覚えておいてもらいたい。

ニュージーランドではあらゆる物事が週単位で進むので、収入も支出も週単位の計算が多い。給料も1週(weekly)または2週単位(fortnightly)で振り込まれることがほとんど。

 

ニュージーランドの最低賃金

では、次に最低賃金も見ておこう。(以下の数字は全て2016年5月現在のもの)

ニュージーランドの最低賃金は$15.25(1220円)である。
最低賃金とは、どんな仕事をしても(16歳以上)この時給を下回ることはないという金額。ちなみに日本でも都道府県単位で最低賃金は設定されていて、最も高い東京でも907円である。

上の通り、最低賃金だけを見ればニュージーランドの方が庶民の生活が保証されているかのように映ってしまうが、実際はそう単純ではない。

ニュージーランドは日本に比べ、あらゆるモノのチョイスが少ないため、高いものを買わざるを得ない生活を強いられ、足で稼いで安いものを選んで買うということが難しい。要するに出費がかさむ。

ただ、$15.25という高い水準で最低賃金が設定されていることも事実である。

 

移民のリアルな収入と仕事

はじめに述べたニュージーランドの平均年収を見て、「自分もニュージーランドで働けば$50,000(400万円)程度の年収になるのか」と皮算用するのは危険である。

なぜなら英語圏以外の異国から来た移民のほとんどは、平均年収を稼ぐための平均的な能力を持ち合わせていない。特に日本人は英語に対する苦手意識が強いため、よりハードルが高い。

時給で話をすると、先述の通りニュージーランドの平均時給は$24.8だが、日本人移民の平均時給というものを算出できるならば、確実に$20以下の数字になるだろう。

以下に日本人が就く主な職業を挙げてみるが、これらの職業の時給は、最低賃金+$2、3の範囲におさまるものばかりである。

ショップ・スーパーの店員
カフェ・レストラン・バーのフロアスタッフ
キッチンハンド
シェフ
バリスタ
ベイカー
ハウスキーピング
ツアーガイド
清掃員
事務スタッフ など

これらの仕事の中でも、長年勤めタイトルが付けば$20に迫る可能性もあるが、$24.8には遠く及ばない。そして、80%程度以上の人はこの賃金帯域の職に就いているのが現実だろう。統計はないのであくまで推測だが、それほど外れてもいないなずである。

時給$15.25の年収は$31,720(253万円)。
時給$20の年収は$41,600(333万円)となる。

特殊な専門技能とキャリアがなければ、いわゆるホワイトカラーの職を得るのは難しいため、だいたいニュージーランドでの収入はこの間で計算しておくのが現実的だ。

ただし、以下2点は補足として書き添えておきたい。
 
●サービス残業は皆無なので、年収は純粋に1日8時間週5日勤務の数字であると考えて良い
●ニュージーランドでは1年間働けば4週間の有給が必ず消化できるので、実質は約11ヶ月の労働に対する年収と考えて正しい。(消化できない有給は雇用主が買い取る)

ここまで見たように、物価が高く、最低賃金付近での生活を想定しなくてはいけないニュージーランドの生活は相当に厳しく、重苦しく映る。

ワークライフバランスを重視するニュージーランドでの生活を、年収という側面だけで良し悪しを論じることはできないが、現実は現実として理解しておいたほうがよいだろう。

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