「登山大国」日本。登山人口が1000万人近くいるのだそうです。日本人は山を歩くのが好きなんですね。年配者を中心とした、近年の登山ブームを見ていると納得できます。
さて、ニュージーランドはお隣オーストラリアとは違い山の国です。
ロード・オブ・ザ・リングスやホビットを見ていた人ならわかると思いますが、ニュージーランドの山の景色は秀逸。山を臨む景色も、山から眺める景色も圧巻の一言です。日本の山とはまた違った特徴を持っていますよ。
これからニュージーランドに観光に行く人、移住を予定している人、また日本で山登りをしている人、すでにニュージランドにいる方も、ぜひぜひ、ニュージーランドの山登りをお試しいただきたいというお話です。
ー 山を散歩する
ニュージーランドの話をする場合、「登山、山登り」という言葉は違和感があります。なぜならニュージーランドでは、一般の人がする山登りでは、「あまり頂上に向かって登らない」からです。
日本人の中では、「山登り」というと、頂上を目指しひたすら登山道を登る体育会系のイメージを持つ人もいるかもしれませんが、ニュージーランドではそうではなく、自然を楽しみながら山の中を散策すること。危険、過酷とは全く無縁の世界です。
単なる言葉の定義になりますが、いわゆるレジャー要素の高い山登りなら「トレッキング(またはトランピング)」。重装備を伴う「山登り」は「マウンテニアリング」が最適かと思います。
ニュージーランドは自国の自然を「売り」にした観光大国ですので、その美しい大自然で世界中のあらゆる世代の観光客をもてなしてくれます。メジャーなコースはしっかり整備されていて安全だし、前述したように、トレッキングコースは単に頂を目指すだけの山道ではなく、山頂を巻くようなコース配置が施されていて、歩く人は峠を越え谷へ下り、パノラマの景色を望みつつ自然と共存する空間を楽しむことが約束されます。
もちろん、上級者向けの難易度の高い危険なルートもたくさん用意されていますので、本気の方も楽しませてくれます。
ー 気軽に山歩きを楽しむ
ニュージーランドには、グレートウォークと呼ばれる9つの有名なトレッキングコースがあり、毎年、たくさんの人が世界中から訪れます。「グレート」というだけあって、その景観の美しさもやはり特別です。グレートウォークを歩くには山小屋に宿泊しながら最低でも2、3日必要で、装備も食料もそれなりに用意する必要があるのですが、それ相応の価値はあります。
でも、山小屋に泊まってまでトレッキングしたくないという人もたくさんいます。そんな人にもニュージーランドは優しいです。何もグレートウォークが全てではありません。
ニュージーランドの山歩きの醍醐味は、「お手軽に」美しい自然を楽しめることにあります。
街と自然の距離が近いニュージーランドでは、街から徒歩で入っていけるようなコースが多く(特に南島の都市では)、ちょっとした運動靴で2、3時間、軽い散歩のような感覚で気軽に山に入っていけます。現地の人も、仕事あがりに「ちょっと歩いてから帰るわ」といって山に入っていく人もいますし、そもそも通勤がマウンテンバイクの人もいます。。。
ー 森林限界
またニュージーランドの山歩きの特徴として、森林限界への到達が早い、というのがあります。何のことかわかりませんね。
森林限界とは、樹木が森林として生育できる限界点のことで、森林限界以上の地点では高い木がありません。これはつまり、山を歩く人にとっては森林限界以上では視界を遮るものがなく、視野いっぱいの景色を楽しめることを意味します。
日本の本州では森林限界が約2,500mですが、ニュージーランドの南島では約1,000m。また、山歩きの拠点となるような麓の町は、たいていすでに海抜400~600mに位置しますので、実際は歩き始めてから500m前後程登れば森林限界に到達します。
つまり、小一時間半登ればいっきに視界が開け、ふりかえれば全面パノラマの景色が楽しめてしまうということです。これは、ニュージーランドの山歩きの最大の魅力の一つと言えます。例えばこんな感じです。
さぁ、どうでしょう?
山登りが趣味の人にとって、ニュージーランドはまさに「楽園」でしょう。すごい景色が待ってますよ。
山好きの日本人、Don’t miss it!!