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オージーがニュージーランド移住!?為替相場からみる最近の2国間の力関係
昨日の記事で、オーストラリアからニュージーランドへ移住する人の数が増加しているとGuardianが報じていると書きましたが、今日はその続きです。今日の記事はちょっと個人的な趣味の部分も入るので、昨日のおまけという感じです。
まずは、元ネタの訳文を再度あげておきます。
要約
ニュージーランドからオーストラリアへの人材流出はここ数年で半減しており、ついに2015年4月、オーストラリアからニュージーランドに移り住む人の数がニュージーランドからオーストラリアに移住する人の数を上回った。これは、1991年以来はじめてのこと。
この要因として、オーストラリアの採鉱ブームの終焉と経済成長が鈍化する一方で、ニュージーランド経済は力強い発展を続けていることが背景にあるという。
オーストラリアとニュージーランド、お互い居住制限のない2国の人々にとって移住する主な動機は単純に「どちらが景気がよいか」です。今まではオーストラリア経済の方が常に強く、ニュージーランドからは人材が流出していたわけです。
では、今後もこの流れは続くのか、というところを見てみましょう。
為替レートからみるここ数年の2国間の力関係
経済の力関係を2国間の為替レートから見てみます。
下のグラフはAUD/NZD(オージードルとニュージードルの換金レート)の直近5年の変動を示しています。
AUD/NZDの為替取引には、あまり世界的な投機筋は入ってこない(彼らにとってあまり魅力がない)ので、まぁ純粋に2国の経済の力関係を示している見てよいです。図では、上に行くほどオーストラリアが強く下に行くほどニュージーランドが強いという認識で大丈夫です。
2008年末リーマンショックがあり、そこから世界各国の中でもいち早く立ち直ったのがオーストラリアでした。政策金利も率先して引き上げ、2011年にはニュージーランドドルに対するレートはほぼ1.4(1AUD=1.4NZD)でした。
しかし、その後は徐々に下り坂。弟分のニュージーランドも不景気から立ち直りはじめ、2011年のカンタベリー地方の大地震も乗り越え、次第に国内景況がよくなってきます。2013年以降はその発展は加速度を増し、今現在の好景気にいたります。
上のチャートを見ると、そのピークが2015年の4月。これは、元ネタのGuardian記事が出た時期と完全に一致にします。2013年以降、ニュージーランドからの人材流出に歯止めがかかり、2015年までに半減しました。そして、2015年4月にオーストラリアからの人材流入数が逆転しました。
でもやっぱり、兄貴は兄貴?
為替チャートでお分かりのように、2015年4月、ニュージーランドドルが史上初めてオーストラリアドルを逆転するか!?というところまで近づき、為替市場は一時大注目されました。
(「逆転するか!?」と簡単に書いていますが、人口450万人足らずの国が2000万人の国を経済力で上回るということは、とんでもないことです。)
しかし、パリティ(等価:AUD=NZD)を目の前に一旦跳ね返され、今現在(2015年9月)は約1.12。このまま戻ってしまうのか、それとももう一度パリティを狙ってくるか、という瀬戸際にあります。
2015年4月以降ニュージーランド政府は断続的に政策金利を引き下げています。やや好景気の波に陰りが見えてきていることを意味しています。一方、オーストラリアは現状維持。
今後はなんとなく、ニュージーランド経済の失速とともに、せっかく逆転した移民の流れも押し戻されそうな雰囲気が漂ってきています。
やはり兄貴は越えれないか。