日本の素晴らしさは海外で暮らしてみてはじめてわかります。24時間営業のコンビニや安くてうまいランチを提供する飲食店、数分単位の頻度で時刻通り発着する交通機関。日本にいればそうあるのが当たり前ですが、一度そうではない世界でしばらく暮らしてみると、その便利さありがたさがよくわかる。
だからといって、日本がいいという趣旨の記事ではないのですが…
海外居住者にとっての日本
日本人が海外で暮らしていると異文化社会が心地いいときもあるのですが、反面どうにも受け入れられないこともたくさんあります。
特に幼少期~20代前半くらいの人格形成の時期を、日本社会で過ごしたオトナが海外移住した場合は特に、染みついた日本人の習性を矯正することはかなり難しいです。それはすでに自己が確立されてしまっているからです。
海外で生活している中でふと自分が日本人だなぁっと実感する瞬間が多々あります。たとえば、「日本人ならここまでしてくれるのになぁ」とか 「日本のあれが食べたいなぁ」、「百均のアレがあれば便利なのに」などなど、日本のいいところだけを思い浮かべてついつい文句を言ってしまいます。
海外に移り住んで何年暮らしていても、日本人は日本人なのです。(稀に完全に日本人離れしてしまう人もいるにはいますが。)
たまに戻ってくる日本は、いい!
日本と違い、海外で働いていると長期休暇がしっかりとれます。今年のGWは9連休だ~とかいうレベルではなく、「1ヶ月まるっと休み」みたいな取り方が普通にできます。1年のうち11ヶ月働いて1ヶ月休暇みたいなパターンを繰り返している人もたくさんいます。
この1ヶ月の休暇で日本に帰国するのが、これ以上ない楽しみなのです。なぜなら、日本のいいとこだけどりができるのです。
日本のいいところ
- 食べ物がおいしい
- テレビ番組がどれもそこそこ面白い
- 自分のサイズに合う服が選び放題
- とにかく便利でサービスの質が高い
- 生活用品が安くて質が良い
- 四季とりどりの自然がきれい
これに海外永住権保持者の特権であるJRパス(新幹線を含む特急乗り放題チケット)が手元にあれば、まさに鬼に金棒。平日の昼間から新幹線でビール片手に全国各地を移動して、平日の割安なビジネスホテルに宿をとりつつ、ひと気もまばらな観光名所を巡回する。なんてことができてしまいます。
それに旅にでなくても、実家にいたとしても、はるばる海外から帰ってきた子供を親が必要以上にもてなしくれます。
でも長く居座りすぎてしまうと…
旅行気分で訪れる日本は、短期滞在先として最高です。でも、短期だからいいのです。
帰国してしばらくすると、どんよりとした空気が自分の周りに漂ってくるのに気づきます。
帰国直後はあんなに新鮮だったコンビニの新商品も、いいものいっぱーいと興奮していたショッピングモールも、日々役に立つ豆知識を提供してくれていたテレビも、ものすごく無価値なものに思えてきます。それに、あんなに無条件で食べ物を与えてくれた親の態度も少しずつ変わっていくように感じます。
海外に戻る時間が近づいているサインです。
飢えていた物欲も徐々に満たされて、日本社会独特のしがらみや世間体からくる窮屈さを体が思い出してくる。こうなるともう外の世界に戻って、また空気をいっぱい吸い込まなくてはいけません。
海外居住者は、日本社会の堅苦しさ息苦しさを嫌う傾向が強いです。だからこそ日本を飛び出した、という人も多いでしょうからね。
結局はどちらが自分に合うか
日本は間違いなくいい国です。モノが豊かで便利、人は親切丁寧。
海外に暮らしてみると日本の素晴らしさが身に沁みます。日本に当たり前にあるモノ、日本で当たり前にされていることが、外からみると凄いことに気づきます。それは自分が日本人であるが故に感じることです。
ただしこれは、自分の中に比べる対象を持っていれば、の話。
比較対象があって初めて判断ができます。
日本と海外どちらが良い悪いということではなく、どちらが自分に合うか合わないか。どちらも知った上で、それぞれに自分に最適な接し方が見つけられれば、より豊かな生活を送れるのではないかと思うのです。