HeやSheに代わる代名詞として性別を限定しない「Ze」の使用が提唱されています。「彼/彼女」と一概に呼べない人たちをどう呼ぶか。ゲイフレンドリーな国として知られるニュージーランドでは、この「Ze」は浸透していくのでしょうか?
性別を限定しない人称代名詞「Ze」
アメリカのテネシー大学がHeやSheに代わる新しい人称代名詞として「Ze」を用いるようにと学生たちに提唱しています。
Fox News ー Call me ‘ze,’ not ‘he’: University wants everyone to use ‘gender inclusive’ pronouns
内容は、男性を指すHe(彼)や女性を指すShe(彼女)ではなく、すべての人に対して「Ze」を使いませんか?ということです。
この背景として、世界的な性の多様化が進んでいることがあり、見た目が「彼」でも中身は「彼女」かもしれない人、その逆の人、または、さらに複雑な性を持っている方々もいる訳で、そういう人たちに配慮して、もう全員「Ze」で統一して呼び合ってはいかがでしょう、という提案だそうです。
ちなみに発音は、カタカナで書くと「ズィ」だそうです。(正確には発音記号を調べてください。)
活用系は、ze – zir – zirs。また日本人が不得意そうな発音っぽいですね。
ゲイフレンドリーなニュージーランド
さて、ニュージーランドは世界でも15本の指には入るフレンドリー先進国です。
オークランドはすでに、世界でも最もゲイフレンドリーな街の1つとして数えられていて、Auckland Pride Festivalなる催し物も毎年行われています。
NZ Herald ー Auckland among world’s most gay-friendly cities
また南島で唯一国際感覚豊かな街クイーンズタウンでも、毎年冬に「ゲイ・スキー・ウィーク」が開催されていることは、そこそこ有名です。
ニュージーランドは、世界のゲイカップルやレズビアンカップルにとっても居心地のよい環境らしく、ホリデーの旅行先としても人気は高いです。普通にゲイ/レズビアンカップルは堂々とホテルに泊まりますし、普通に街中でも手をつないで歩いています。ちょっとロマンチックな場所と時間帯に見かけたりすると、キスなんぞも当然のごとくパブリックでやっています。
最初は見た方が戸惑うのですが、それが当然のように振舞っているので、見る方も「危ない人たち!?」という偏見に満ちた視線は最初だけで、何度も見ていると特に異常な光景ではなくなります。
逆に「そうあるべき」だということ教えられているかのようです。
ニュージーランドで「Ze」は浸透するか?
ここまで記事を書いていて実感したのですが、文脈上、ゲイ・レズビアンカップルを代名詞で「彼ら/彼女たち」と何度も書きたかったのですが、実際それが適切な表現かわからない訳で、書けないんですね。
確かに不便だなと思います。(英語ならすでに「They」があるので、複数形なら問題ないのですが。)
日本はまだまだそこまで性の多様化に対してオープンではないし、現実感乏しいでしょうけど、欧米社会は違います。実際そういう人たちが身近に生活していたり、旅行者として自分の住む街に来たりしている訳です。
特にニュージーランドのようなゲイフレンドリーと呼ばれる場所では、人も集まりますから、現実的に「Ze」のようなニュートラルな代名詞の存在って必要に迫られることになると思います。
実際問題仕事上で直面すれば、お客様に失礼のないよう、彼/彼女たちをどう呼ぶかを考える必要がありますしね。
さて、「Ze」は世界に浸透するのでしょうか!?
日本は、、いつになることやら。。。