このルートは、レッドターンズ・トラックの延長です。レッドターンズ・トラックの終着地には赤い池があるのですが、そのさらに上に登っていくルートがあります。おそらく、予備知識がないと、それが上に続く道だと気づくこともないでしょう。もちろん「この上、ルートあり」みたいなサインもないです。一般に推奨していないということです。
でもよく見ていると、たまに登っていく人がいます。最初は人目を避けてトイレかなと思っていたのですが、戻ってこないので、どうやら違うようです。
マウント・セバストポールはマウント・クックビレッジを挟んで、マウントクックとは向かいにある山ですので、登れば登るほどマウントクックは小さくなるのですが、マウント・クックとは逆側にあるプカキ湖やタズマンバリーまで見渡せるようになり、頂上付近では一大パノラマが楽しめます。
途中は手を使って登るところもあるので慎重にゆっくり。おそらく人にはほとんど出会わないので、もし目印のケルンや足跡が見当たらなくなったら、いったんケルンがあるところまで引き返してください。
頂上までのぼれば、達成感は間違いなし。ここまでのぼれば、「セバストポール行ってきたよっ」と、ちょっと自慢してもいいでしょう。頂上からみれば、アオラキ/マウント・クック国立公園の地形は完全に把握できます。眼下には壮大な景観とちっぽけな人間の生活エリア。天気がよければ、ぜひゆっくりしてください。
そして、シャア専用の山小屋へ
アオラキ/マウント・クック国立公園にはシャア専用の山小屋があります。ちょっと「シャア専用」がわからないという人は、あまり気にせず赤い山小屋があるんだなぐらいに思っておいてください。もちろんエリートでなくても、一般市民でも宿泊することができます。
さて、そのかっこいい赤い山小屋の名はミューラー・ハット。
その山小屋に向かうルートが、2つめのおすすめルートです。
ミューラーハット・ルートはシアリーターンズ・トラックの延長であり、さらに上に2時間。こちらはセバストポール・ルートとは違い、同じ「ルート」でも歩く人は結構多いです。夏のシーズン中は、ミューラーハットは予約でいっぱいなので、直前に行っても宿泊できない可能性がありますが、日帰りでも十分楽しめます。
シアリーターンズからでも十分凄い景色なのですが、ミューラーハットまでいくと景色はもちろん、自分の中の高揚感と達成感が違います。ちょっと違う世界にきたような不思議な感覚です。山頂で飲むか、帰って家で飲むかは人それぞれですが、ビールの味も格段に違うでしょう。
途中は、険しい岩場や、大き目の石が流れる斜面などがあるので気をつけて登らなくてはいけませんが、慎重にいけばおそらく大丈夫でしょう。ミュラー氷河やマウント・セフトンもどんどん近づいてきて、手の届くような距離まで迫ってきます。
頂上は、標高約1800m。景色はもちろん絶景。雪山に囲まれたマウント・クックを正面に、眼下に流れる氷河ととその先の氷河湖。出発から4時間程度で目にすることができる景色としては、かなりレベルの高い部類に入るのではないでしょうか。これこそが、ニュージーランドの山登りの醍醐味!というのを味わえます。
一押しです!
最後に、国立公園内のコースについて知りたい場合は、まずDOC Visitor Centreに足を運んでください。経験豊富なスタッフがコースの最新情報を教えてくれます。また、DOC Visitor Centre内ではマウント・クックで行えるアクティビティーの紹介や、歴史などの資料も飾られているので、歩くのが苦手という方も十分楽しめますよ!