ニュージーランドにしばらく住んでいると、どの地点かで必ず「永住権」という単語を耳にし始める。しかも結構早い段階のことが多い。はじめはピンとこないが先輩方の話を聞いていると、なにやら「おいしそう」であることに間違いない。
ー永住権に向かう
「永住権」という単語を聞いてから、自主的に「永住権への道」を探り始めるまでにそれほど時間はかからないだろう。気がつけば、日本人友達とのカフェでの話題は永住権にまつわる噂話ばかりになり、いつの間にか人生の目標に永住権取得を掲げ、永住権につながる仕事を探し始める。
そもそも永住権とは、自国の人材不足業種の補強や発展分野の成長を目的として、特殊な知識・技能(あるいは資産)を保持する移民に、その能力を生かしてその国の発展に貢献してもらうことを期待して発行されるものである。単なる労働力確保や人種の多様性の維持を目的としている訳ではない。そうそう永住権を簡単に手にいれることはできない。
ではなぜニュージーランド在住者にとって永住権を目指すことが、これほど一般的なのだろう。ニュージーランドでは、ワーキングホリデービザ → ワークビザ → 永住権のステップアップが、皆が向かう黄金ルートとなっている。
要因は2つある。
ー「永遠」の永住権
ニュージーランドの永住権は一度取ってしまえば永遠のものとなる。
これが、ニュージーランド永住権の最大の魅力であり、在ニュージーランド邦人を駆り立てる要因の一つではないだろうか。
一般的に「永遠に住む権利を与えられるのが永住権」ではない。大抵の国では、永住権取得後も永住権を維持するための条件があり、定期的にクリアしていなければいけない。その条件を満たせなければ、永住者であっても永住権を失ってしまうのが普通である。
例えば、ある国では永住権を維持するために5年間のうち2年はその国に滞在していないといけない、という条件がある。滞在の意思さえあれば簡単にクリアできそうであるが、人生のあるステージにおいては、そうはいかない状況になることもある。
親の介護で日本に数年帰国せざるを得ない状況になったらどうだろう。または、パートナーが病気になり日本で長期的な治療・リハビリが必要になる可能性もある。こういった場合、永住権の維持に必要な期間をクリアできず永住の権利を失ってしまうことになる。
ニュージーランドの永住権は、はじめの2年間こそ上記のような在住条件はあるものの、その後は正真正銘の「永遠」の永住権となる。要するにいつでも出入り&滞在自由である。一度取得してしまえば、人生の選択肢が大きく広がることは間違いない。これほど魅力的なことはない。
続きの記事:なぜニュージーランドの永住権を狙うのか(2/2)