Mike : Hi, Ken. How are you?
Ken : Hi, Mike. I’m fine. Thank you, and you?
英語の教科書の一番最初の出てくる一文。人生で初めて習った英文なのでよく覚えています。
KenとMikeもしっかり頭に残っています。
中学生の時点では、外国や英語はあまりにも遠い世界の話なので、この会話はまったく実感が湧かないですよね。授業だから単に機械的に暗記しますが、多くの日本人にとって実際にこの会話を口にする機会は訪れません。海外旅行で行く程度では使うことはないですよね。
しかし、海外で生活する上では基本中の基本になります。これを口にしない日はないです。
しかもこの会話、かなり奥深いです。
“How are you?”を制することが、海外生活の第一歩といってもいいくらいです。
ー “How are you?”の違和感
それにしても、”How are you?”って日本人から見たら違和感のある言葉じゃないですか?日本語だと「調子どう?」「元気?」ってくらいの訳ですが、このセリフを言える相手ってかなり限られてますよね?MikeとKenが親友レベルでないと成立しないです。
でも、海外では親友でなくても使います。
MikeとKenが単なる職場の同僚でも成立します。
Kenが電話口の取引先の相手だとどうでしょう?何度も話している相手なら全然ありでしょう。
ちなみに、フレンドリー大国のニュージーランドでは、他の英語圏の国よりも3割り増しくらいで”How are you?”を使ってもいいと思います。損することはないと思いますよ。笑
日本の学校や職場なら、とりあえず朝一は「おはよう」を振りまいておけば「ちゃんと挨拶のできる人」になりますが、海外だと”Hi.”で終わっていると、「ちょっと素っ気ない人」になります。
“How are you?”のやりとりは欧米社会の習慣ですので、まずは慣れなくてはいけません。
人に会ったら、まず”How are you?”を頭に浮かべるくらいでいいでしょう。
そして、”How are you?”に対する答えの「いつものパターン」も用意しておきましょう。
(ここでは、”How are you?”について書いていますが、”How are you doing?”や”How is it going?”なども同じ類いの言葉として使われます。世代や間柄、その土地柄によって表現方法は様々です。)
ー “How are you?”で一歩踏み込む
“How are you?”は疑問形なので、この言葉を発すれば、(基本的には)相手は答えなくてはいけませんし、逆に相手から言われれば”Good.”なり”Not too bad.”なりで、何かしら答えなくてはいけない。お互い一歩踏み込んだ会話が発生するわけですね。
まぁしかし「一歩踏み込む」とはいえ、毎日多くの人と交わす言葉なので、このやりとり自体が形式的で単なる挨拶で終わる場合も多々あります。本当に今日の調子を答えて欲しくて、”How are you?”といっているわけではない場合もありますし、体調が優れないときでも、相手によっては敢えて”Fine”で済ませることもあります。この場合は日本語での「おはよう」「こんにちは」の社交辞令的なやりとりと考えていいです。
でも、もし今日は何か特別話すことがあるなら、”I’m very good”と言った後に”because…”で続けることもできます。または、”I’m ok…”と答えて含みをもたせれば、相手が心配して「なんかあったの?」と聞いてくる可能性もあります。つまり、単なる挨拶で終わることもできるけど、”How are you?”によって自然と今日の話題への入り口も準備されているわけですね。すばらしい。
軽く雑談をすれば、あまり知らなかった相手でも、距離をグッと縮めることができますし、次回の雑談もしやすくなります。日本では、なかなかこの雑談に持ち込めないこともありますので、すごく便利です。
このように、”How are you?”のやりとり一つとっても、日本人と欧米人のコミュニケーション方法の違いがわかりますね。欧米社会では「適度な距離を置く」ことよりも、相手と「距離を詰める」ことの方が、人間関係を築いていく上で重要と位置付けているのが感じれます。
“How are you?”
はじめは違和感だらけなのですが、便利な言葉なので遠慮なく口にして自分のモノにしていってください。相手がニュージーランド人ならば、みんな喜んで得意の雑談に誘い込んでくれることでしょう。