当然ですが、海外で生活をするためには英語を話さなくてはいけません。
でも、いったい自分がどれくらいの英会話ができればいいのか、どれくらいを目指せばいいのかはなかなかわかりづらいものです。
TOEIC700点以上だと日常会話が問題ないでしょうか?TOEICの点数はあくまで「英語力」の基準となるだけで、英会話とはまた違います。TOEIC800点、900点の人でも、英会話は苦手という人もたくさんいます。
英会話を向上させる場合、目標となる誰かがいて目指すレベルがはっきりしていれば、成長も早いかと思います。
では、具体例をあげて考えてみたいと思います。
錦織圭の英語
まずは、この人の英語をお聞きください。
錦織圭:トップテニスプレーヤー。13歳で米国にテニス留学。
どうでしたか?
人によって印象は違うと思います。
かなりうまいなぁという人もいれば、13歳で海外に出てるワリにはそこまで上手じゃない、という声もあります。ここでは、英語力の評価は横においておいて分析だけしてみたいと思います。
動画の中で彼が話している内容は、テニスのゲームの感想ですから、テニス留学した彼にとっては毎日のように話してる内容でしょうし、ここで使ってる単語や表現も慣れたもんでしょう。淀みなくしゃべれて当然です。
この会話だけで彼の英語を正確に分析するのも難しいですが、海外生活していく上で、これだけ喋れれば十分じゃないかという印象は誰もが持つかと思います。
この記事の意見としては、
彼の英語は、海外で生活する日本人が目指す英語としては、いい一例なのかなと思います。それは、すぐに到達できるレベルでもないけど、絶対なれないレベルでもないからです。
英語らしさを理解する
彼が会話のインタビューの中で使っている単語や表現は全然難しくないです。発音も、幼少期を英語環境で過ごした帰国子女のように日本人離れしている感じでもない。いわゆる「日本人の英語」なのですが、流暢に聞こえます。
彼の英語のいいところは、
ーリズム
ースピード
ー長い間をおかず話しきること
にあります。
前後の単語のリンキング、発音の強弱とリズム、スピード感が意識されていて、すごく英語らしく自然に聞こえます。見習うべきポイントです。彼は特に意識しているわけではなく、長い生活の中で自然に慣れてしまったのでしょう。
逆にこれらが意識されていない英語だと不自然になり、すごく聞き取りづらい英語になってしまいます。英語に慣れていない日本人が英語を話す時、「英語を話している」ことを忘れがちです。正確に話そうとするあまり、正しい文法にとらわれて途中で長く間をいれてしまったり、弱く発音していい前置詞や接続詞でもゆっくり正確に一つずつ発音したりしてしまいます。
これらは間違ってる訳ではないし意味が伝わらないこともないですが、すごく不自然な英語で、聞く側は結構ストレスになります。海外に出て初めのうちはそれでも仕方ないかもしれませんが、ずっとそれでいい訳ではありません。英語圏外の人がネイティヴのような英語を話すことは求められませんが、少なくとも英語には英語のリズムがあって、英語のスピード感があることを理解しなくてはいけません。英語は日本語とは全く異なる言語です。
英語らしい英語を身につけるにはある一定の時間が必要なのですが、普段の会話の中でもこれらを意識しているのとしていないでは、成長の度合いに大きな差がでてきます。
特に20代以降の海外移住者は、子供のように生活の中で英語のシャワーを浴びたり、学生のように体系的に英語を学んでいく環境におかれるわけでもないので、普段の自分の心がけが英語を伸ばす上で重要となります。
ここでは錦織圭の英語をとりあげましたが、人によって目標にすべき人は違います。自分に合った目標を見つけ、その人の英語を真似するところから入っていくのも、英語を楽しく学ぶよい方法かと思います。